雷の仕組み
雷を伴う積乱雲(雷雲)は、電荷分離が特に強いため大気の絶縁が破壊され、雲内や地表とのあいだで放電が起こります。これが雷です。
積乱雲内部の帯電メカニズムは厳密にはまだ解明されていませんが、最も有力な説はあられと氷晶の衝突により、あられと氷晶がそれぞれ異なる極性に帯電するというものです。
-10℃を境に、あられは負に、氷晶は正に帯電します。
軽い氷晶は上昇気流により上方に位置し、重いあられは下方に位置するため、雲内に正・負の電荷が溜まると考えられます。
地表では雲底の電荷に対応した反対極性の電荷が静電誘導作用によって集まり、蓄積されるにつれ、雲と大地間の電圧が高まります。
最終的には大気の絶縁を破壊し電気的に結びつくことで対地放電(落雷)し、電荷が中和されます。
これが落雷の主放電です。
落雷の過程


①雷雲の内部では、上方にプラス電荷、下方にマイナス電荷が蓄積されます。
②雷雲が十分に発達すると、たまり続けた電荷が突き抜けて降りてくる。
③雷雲の底部からマイナス電荷(ステップトリーダー)が大地に向かって走る。
④ステップトリーダーが地表に向かって上向きのお迎え放電が発生。
⑤ステップトリーダーとお迎え放電が結合することで、電路を形成して雷雲と大地が電気的に結ばれる。
⑥落雷となる。