雷サージとは雷によって発生し、電源線、通信線、電気・電子機器に直接又は間接的に加わる一時的に発生する短時間の異常な過電圧や過電流のことをいいます。
雷の電流は非常に大きいため、雷が建築物や電線などに直接落雷した場合には非常に大きな雷サージ電流が流れ、建築物や電気設備に大きな被害を与えます。
また、直接の落雷でなくても雷放電路を流れる電流により、配電線や通信線近傍の電磁界が急変し、電源線や通信線に誘導による雷サージが発生します。
このようにして発生した雷サージが電源線や通信線を通って電気機器に侵入し、被害が生じます。その雷サージの影響範囲は落雷地点から数km先にまで及び、すぐ近くの落雷でなくても被害を受ける可能性があります。
雷サージの種類
雷サージの発生要因として以下のものがあげられます。
直撃雷
建築物の避雷針やアンテナ、送配電線、通信線などに直接落雷する現象。
人、木、建物に直接雷が落ちることから、死亡事故や火災をもたらすことになり、危険性は極めて高いと言えます。
誘導雷
直接の落雷ではなく、近傍の樹木や建築物への落雷によって、雷放電路に流れる電流による電磁界の急変により、導体(送配電線、通信線など)に誘導された雷サージが発生する現象。
逆流雷
構造物などへの落雷による接地電位上昇によって、引き込まれている導体(送配電線、通信線など)に落雷電流の一部が流出する現象。
さまざまな雷サージによる被害
雷サージによって、機器は絶縁破壊や誤動作、劣化などの影響を受けます。特に近年は機器が過電圧に対して脆弱になっており、以前に比べて低いレベルの過電圧でも被害が発生しやすくなっています。
雷サージによる機器の被害は一見、ただの故障とみられる場合がほとんどですが、外観に異常がなくても、雷サージによって機器の中の部品が損傷していることがあります。